母と娘の婚活物語
たとえ恋人であっても邪魔することができないのが親子関係。最近では、友達のように仲の良い親子もいて、そのなかでも母と娘の関係は特別で、姉妹のように一緒に旅行したり、ショッピングや食事を楽しんでいる親子もたくさんいるようです。
娘にとって母親は、いちばん身近にいる同性で、切っても切り離すことができない存在です。そんなかけがえのない母との関係が、婚活の見えない壁になることだってあるのです。
はじまりは母娘の婚活から
母は娘の幸せを誰よりも願っている
婚活サロンのお問合せには、ご本人以外に親御さんからのお問合せも多く、自分の息子、もしくは娘の結婚についての相談をいただくこともかなりあります。
そのほとんどが30代後半から40代、場合によっては50代の息子さん&娘さんの親御さんもいらして、「いい歳してまったく結婚できそうな気配がない」「結婚相談所に入ればどうにかなるものだろうか」といった相談内容です。
ここからは、32歳の娘R美さんと、その娘の結婚問題を心配する母親のM子さんのお話です。最初、M子さんは一人で結婚相談所にやってきました。
R美さんの年齢32歳は、普通に考えるとまだまだ十分に若いと思われるかもしれませんが、少し前の当社のブログでもご紹介しましたが、20〜30代の男女の会員数(2021年8月:日本結婚相談所連盟の公表データ)でみると、女性会員の数は男性会員数の2倍近く多いのです。
男性 12,466名
女性 23,414名
そのことからも、自分の娘は、結婚市場価値でみると決して簡単ではないということを数字で痛感したというM子さん。何がなんでも、一日でも早く、娘を結婚相談所に入会させなければと思ったそうです。
母親が誰よりも娘の幸せを願うのは当然のこと。しかし、婚活は母親が頑張ったところで、本人にやる気がなかったらどうにもなりません。
当サロンとしては、まずは娘さんとカウンセリングをして、娘さんの婚活への意気込みとやる気があるかを確認したいと説明したところ、M子さんは「承知しました。とにかく娘にちゃんと話をして婚活させます」と言い、その日は終わりました。
母娘の婚活スタート!
M子さんが娘さんにどのように婚活をすすめたかはわかりませんが、数日後、母親のM子さんは娘のR美さんを連れて来店しました。ちょっとはにかみながら挨拶をするR美さん。ご両親から大切に育てられたのだろうな…と感じさせる、清楚で母親似の可愛らしい印象の女性です。
R美さんと母のM子さん親子は、二人でよくお買い物に行ったり、食事や旅行もするなど、良好な母娘関係を感じました。しかし、色々な質問をすると、娘のR美さんよりも母親のM子さんのほうから多く、質問の答えがかえってくるのが少し気になりました。
とくに気になったのは、結婚相手の条件で「都内在住で転勤のない仕事の男性のほうが、将来的に私達も安心」と、M子さんが口を挟んできたことです。R美さんはそのときは隣で黙って微笑んでいたので、本心まではわかりませんでしたが、カウンセリングをしていて少し驚きました。
ちなみに入会料をはじめ、婚活に関する費用はすべて母親もち。つまり費用は出すけれども口も出す、といった、典型的な?母娘婚活パターンになりそうな予感はしました。
うまくいかない母娘の婚活
こうしてR美さんの婚活がはじまりました。プロフィールを公開すると、可愛らしくて、清楚な雰囲気のR美さんには、入会直後ということもあり、ありがたいことに、たくさんのお見合いのお申し込みをいただきました。
そのなかからまずは3人ほど選び、お見合いをしてそのなかから、1人の男性と仮交際にすすむことになりました。しかし、その後2回ほど会うと、R美さんのほうから交際終了と言ってきました。
R美さんの条件をクリアしている男性だったので、お断り理由を聞くと「彼の仕事場所が実家から離れている(横浜)」がお断り理由らしい。
とはいうものの、転勤の心配はないし、職場は都内からでも十分に通えるはず。生理的に嫌、というのならともかく、せっかくの出会いを大切にしてほしいと思うカウンセラーの気持ちで、そうR美さんに話してよくよく聞いてみると、この交際に反対なのは、R美さんというよりはお母さまのほうであるということが分かりました。
やっぱりそうか…と、最初のカウンセリングで感じた予感が当たってしまいました。
誰のための婚活かもう一度考えてみて
親の立場で考えると、娘の将来は心配で、とにかく親が気に入った男性と結婚してほしい。結婚後は、実家の近くに住んで、何かあったら手助けできるようにいつでもそばで見守りたい…。
これまで大切に育ててきた娘を思う母親としての気持ちは痛いほどわかります。しかし、結婚するのは誰なのか?よく考えてもらいたいと思います。他のだれでもない、娘のR美さんなのです。
娘のほうはというと、両親からの愛情を一身に受けて、幼い頃から十分な教育を受けさせてもらい、自分は親からとても愛されていると感じてる…。その両親の愛情に応えなくてはならないと思い、勉強や私生活もまじめな優等生気質になり、結果、両親の考え方を基準に、物事を判断するくせがついてしまう…。
R美さんもそんなパターンの女性の一人のように感じます。しかし、結婚するのはR美さん本人なのです。R美さんはどんなお相手と結婚したいのか? どういう結婚生活をおくりたいのか、自分でトコトン考えるべきなのです。
結婚するのは娘の私です
良い条件の男性とお見合い
M子さんの干渉は気になりますが、カウンセラーといえども親子関係に口を挟むことはできません。
R美さんには「お母さまのご意見も大切だけど、R美さんの結婚だから、とにかく自分の気持ちを大切にしてくださいね」と伝えて、R美さんも「わかりました」と、その後も婚活を続けていました。
そんなとき、東京都内勤務の会社員F彦さんとお見合いを組むことになりました。年齢は38歳、年収700万、見た目だって身長178cmでなかなかのイケメンの好条件です。
二人はお見合い後、交際にすすみ、その後も順調にデートを重ねてR美さんも楽しそうだったので今度こそは!という気持ちで見守っていました。
またもや母からのダメだし
男性とのお付き合いに慣れてなかったR美さんでしたが、F彦さんが優しくリードしてくれるおかげで、少しずつ打ち解けていきました。
二人は食事デートや映画鑑賞をしたり、ときには半日ドライブデートもしました。さらにお揃いのシューズを買ってウオーキングデートを楽しむなど、交際を積み重ねて、いつの間にか結婚を考えるようになりました。
二人の交際期間も2ヶ月になり、結婚を視野に真剣交際にすすむことを考えて、双方のカウンセラー同士で調整をはかろうとしていた矢先に、母M子さんの横槍が入ったのです。
母M子さんはどうしてF彦さんとの結婚に反対なのでしょうか。
実はF彦さんには離婚歴があったのです。もちろんプロフィール欄には離婚歴について書かれていましたし、交際がはじまってから、F彦さんは、離婚理由をR美さんにもちゃんと話をしていて、R美さんは納得のうえで自分の意思で交際していたのです。
決めることができるのは自分だけ 〜娘が考える私の結婚〜
F彦さんには前の奥様との間には子どもがいません。また離婚の反省も踏まえて次の結婚では同じ轍はふまない、とその思いで、R美さんには誠心誠意尽くし、またR美さんの家族のことも大切に考えてくれる、とても素敵な男性です。
そんなF彦さんの想いを受け止めたR美さんは、今回ばかりは母親からの反対にあっても自分の気持ちを貫こうと決心していました。
そうです。R美さんはF彦さんと出会って変わったのです。それまでは母親の反対にあえば、自分の意思とは別に交際を終了していましたが、今回は自分の気持ちを優先してここまで交際を続けてきたのです。
まとめ 〜結婚は人生でいちばんの決断〜
結婚とは、人生のなかでいちばんといってもよいくらいの大きな決断です。
相性がぴったりで、お互い愛し合って結婚しても、どちらかが病気になったり、あるいはトラブルに巻き込まれたりする場合だってあるのです。明日はわかりません。それは恋愛結婚もお見合い結婚も同じです。
しかし、絶対に幸せな未来に繋がると信じて決断するのです。だからこそ、人生を懸ける究極の選択は、たとえ自分を誰よりも愛してくれる母親の反対があったとしても、最終的には、自分の選んだ幸せを祝福してくれる…。そう信じて前に進むことが大切なのです。
自分の選んだ結婚が正しかったかどうか…おそらく10年、20年先にならないとわからないかもしれません。しかし、自分の選択は正しい!と思える、幸せな毎日を積み重ねていくことが大切なのです。
『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』
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